8.ばね式フィルタ-の開発迄のエピソード
20数年前千葉県主催の見学会で、某工場の軒下に山積みされた廃棄前のフィルターが目に止まる。調査してみると、殆どのフィルター類は目詰まりすると捨てられ、その量は年間数百万トンに上るという、これはろ過残渣の数百倍の量であり環境の悪化も伴っていた。
私はこの事を知り、フィルターが自力で洗浄し繰り返し再生する半永久寿命で環境にも優しいフィルター作りを思い立つが、ろ過を知る人には夢物語だと冷笑される。手始めに色々のフィルターを買い集め簡易なろ過装置を作り実験を繰り返し、各フィルターの機能を知る中で私の計画が如何に無謀な課題かを思い知る。
開発は手近に有るばねに着目、巻きばねの機能の応用を発案した。
開発は硬い異形のステンレス線材の片面にミクロン単位の突起を作る技術、これを変形無く整然と巻き取る技術、ばねの機能を応用し効率的な自立洗浄機能をこの巻ばねに付加する技術などを約6年半の年月を掛け夢のばね式フィルターを完成させた。又これを装着した精密ろ過システムも作り上げる。
このばね式フィルターは従来の画一的な機能のフィルターと異なり、水や油、薬品、ガス類等あらゆる流体のろ過が出来るシンプル構造の強靭なフィルターで高温や高圧力にも耐用する優れた機能を持っている。
九州大学納入 船舶バラスト水実験装置
国土交通省納入 河川水浄化装置
フィルターばね部
Φ65スリット幅200µm